現代関西人のセンスでさらに磨きをかけられたウィーンのノリ、若き声楽家たちの歌うということへの飽くなき挑戦、ラブリーホールの臨場感溢れる小ホール・・・この3つを兼ね備えた、大阪のそれもきっとラブリーホールでしか見られない(かもしれない)河内長野版「こうもり」は、声楽をベースにした、観所も聴き所も満載のエンタテインメントとして仕上がっているのではないでしょうか。
去年に引き続き今年もロザリンデを演じるソプラノ歌手の北野智子さんに、「こうもり」に対する想いなど、訊いてみました。
北野さん「『こうもり』という作品は、音楽も楽しくて、笑いもあって、展開も面白いです。私にとって憧れの作品で、いつかやってみたいと思っていましたが、こんなに早くできるとは、しかも2回も!とてもありがたいです」
北野さん、ロザリンデという役については?
北野さん「前回の公演の後で、お客様から『この作品は、妻が夫を許してハッピーエンドで終わるところが気持ちよかった』というお声をいただいて、そんな風に感じておられる方がおられたのかとびっくりしました。ロザリンデは夫が浮気をしようが余裕のあるマダム。理想のマダムを思い浮かべて試行錯誤しています」
確かに。最後にロザリンデが夫を許して、みんなで歌ってフィナーレという流れですね。全体的に笑いの溢れる作品ですよね。
北野さん「ロザリンデの役には難しい歌唱の部分があります。でも、ハードルが高いほど燃えるタイプなので、やりがいがあります。小ホールオペラには何度も出演させていただいていますが、魅力は出演者・スタッフみんなの抜群のチームワークだと思います。信頼しあっているし、どんなに面白いことでもみんな真剣にやっていて、満足することなく常に上を見て頑張っています。誰かが1つアイデアを出すとそれが何倍にも膨れ上がって、作品の中に組み込まれるのです。作品ごとに自分が成長できる、という感じです」
北野さん、そんな風に思っていただきながら今まで出演してくださってたのですね。ラブリーホール・スタッフとしても、胸が熱くなります☆ そうそう、北野さんは、「vita rosea」というブログをされているそうです。こちらもお楽しみに♪
再び、主役の竹内さんに「こうもり」についてお話を聞いてみました。
竹内氏「3年前私は道端でけがをして動けない一匹のこうもりを助けました。するとその夜、一人の美しい女性がうちにやってきたのです。彼女の織る漆黒の布はこの世のものとは思えないほど美しいものでした。ただ彼女は織る姿を決して覗いてはいけないと言いました。しかしある晩、私は好奇心に駆られそっと彼女の部屋を…続きはオペラでお楽しみください」
あれ?竹内さん、そんなストーリーだったでしょうか?
竹内氏「え?去年と話が違う?…許しておくれ!すべてはシャンパンのせいなんだ!」
竹内さん、本当に面白い方です。そして、とても素敵なテノールボイスの持ち主でもおられます。
竹内さん、木村さん、そして北野さん、取材させていただいてありがとうございました。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。