舞台のことを知りたい方、これから舞台で企画を考えている方に役立てていただけますように、
舞台専門用語や設備などを紹介・解説していきたいと考えています。
記念すべき第1回は「上手と下手」です。
今後、不定期ではありますがシリーズ化していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします(*^▽^*)
日本には舞台の右側と左側を表す上手(かみて)と下手(しもて)という言葉があります。
日本独特の客観的な言い方で、客席から舞台に向かって右側を上手、左側を下手と言います。
上手・下手はお家の中や飲食店の席にも、上座(かみざ)・下座(しもざ)と言い換えられて存在します。
床の間がある和室では、床の間側が上座になります。
飲食店などの個室は、個室の入口から遠い奥の対面側が上座になります。上司や先輩と大勢でお店に入った
時に、上座・下座を意識して若手や後輩が入口で混雑していると「早く奥から座なさい!」と言われて、上座
に座ることにならないように注意いたしましょう
舞台の上手を東、下手を西と言うこともあります。
昔の芝居小屋は屋外で仮設の舞台を組みました。当時は照明などありませんから、太陽が照明の代わり
をします。舞台を北側に、客席を南側に設置することで舞台や役者に影ができずに見えやすくなります。
必然的に、客席から見て右側は東、左側は西になります。
大相撲でも通じるところで、番付も同地位では東が各上になりますね。
上手と下手は言葉の違いだけでなく様々な催し物によって役割・約束事があります。
(講演会)
司会者は下手に位置します。講師が登場するのは上手からです。
(式典)
主催者と来賓が舞台上の椅子に座る場合は、来賓が上手、主催者が下手にになります。
舞台の中央側に上位者が座ります。座る人数が大勢の場合で2列になる時は、それぞれ上位者から中央側から
外側へ、その続きは後列の中央側から外へ座ります。表彰式がある場合は、上手に表彰をされる人、下手に表彰を
する人が立ちます。
(芝居)
お約束事として玄関は必ず下手になります。
関西ではおなじみの吉本新喜劇や松竹新喜劇でも、必ず玄関は下にありますね。
因みに、西洋では舞台から客席に向かって右側を右(right)、左側を左(left)と言います。
西洋は役者目線なのに対して日本はお客様目線というところに、日本らしさが表れていると言えるかも
しれませんね。
以上、第1回は上手と下手でした。また第2回をお楽しみに